日本経済の行く末と金融業界

銀行危機から始まった金融不安が、その後日本経済全体、社会構造全体にまで拡大しました。発端になった金融システムに関しては、いろいろな手だてがとられてきましたが、果たして日本経済は再生の出発点に立ったのでしょうか。

楽観的にとらえれば、長い間抱えていた問題を取り繕い、表面化させない努力をしてきた段階からは、否応なしに脱却せざるを得なくなって、 一応問題に取り組む出発点に立ったとはいえますが、本来の意味での再生のスタート台には立っていないといえます。問題に取りかかるところまではきたが、方向性つまリグランド・デザインが見えていないのが現状です。

民間企業の資金繰りまで、公的機関とか日本銀行が全部面倒を見るようなことでよいのでしょうか。日本銀行の過重な負担により、かろうじて維持している経済の現状は、経済構造の基本的脆弱性を解決し得ないのではないでしょうか。現在起きている事象は、事実上、最後に残された規制産業、保護産業をスクラップ・アンド・ビルドするとともに、企業を集約する、あるいはその産業が衰退産業であれば、それを廃棄していく動き、すなわち産業構造再編の問題にほかなりません。

こうした観点から見れば、銀行とか金融業はアメリカではすでに金融サービス業であるというイメージがあり、その先に流通業とか、情報産業との一体化が起きています。ところが、日本では当事者も政府もそういう明確な認識があまり見られない。政府の公的資金投入に際して、金融当局と大手銀行との間でやりとりのあった経営健全化計画を見ても、それはいえます。すでに言い尽くされたことでありますが、日本の金融業界はこの半世紀以上の間、護送船団方式で守り、守られてきたからです。既存の金融業に自己革新の力はないのではないでしょうか。

こうした状況を打破するには「新規参入」がカギになるといわれます。ところが、日本の場合、伝統的銀行業界に新規参入がなかなか起こりません。いろいろな理由が考えられるでしょうが、既存企業が赤字を出している状況であれば、第三者はしばらく高みの見物を決め込んで、時期を見て参入するという形になるはずです。そのためにも、既存の銀行業をほんとうの市場経済の中で勝負させ、効率性を発揮させて、本来的な機能を果たさせなければなりません。

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