伸び続けるサラリーマン金融

貸出残高が一兆円に達し、次の目標は二〇〇三年の自己資本一兆円であるという消費者金融業界のトップ武富士が一九九八年一二月、ついに東証一部上場を果たしました。

既存の銀行業の多くが赤字であるのに対し、武富士の九九年三月期経常利益は実に九六億円です。もちろん、伸びているのは武富士だけではなく、業界全体が絶好調なのです。「会社価値」(時価総額)で見ても、都銀中堅クラスに迫っています。消費者金融会社による消費者ローンの取扱高は、九八年末で五兆九六三四億円です。バブル崩壊後も一貫して伸び続け、 一〇年前の約三倍にもふくらみました。

消費者金融の顧客は、中小企業に勤めている人や若者などが主体とされますが、野村総合研究所の調べによれば、ざっと六〇〇万人、潜在顧客は一八〇〇万人とされます。潜在顧客がこれだけ多いとされるのは、日本の全労働者のうち三〇人以下の企業に勤めている人の割合が七〇%前後を占めるからです。

消費者金融業界がこれほどまでに伸びた要因は何でしょうか。いろいろあるが、最大の牽引役となったのは、無人契約機です。九三年七月、アコムが「むじんくん」で第一号を設立以来、大ヒットしました。最初は行列ができ、整理券を配るほどだったといいます。それまでは対面で審査されていたのであるが、無人契約機の誕生で、顧客は窓口の人と顔を合わさずに借入れができるようになりました。しかも、夜間や土日に利用できるところが借金に抵抗の薄い若者層の開拓に成功しました。

また、業界にとっても環境もうまく好転しました。銀行がバブル期に株や土地に走ったときも、前回のバッシング時代の後遺症もあって、本業から大きくはずれませんでした。さらには空前の超低金利時代が続き、調達金利が低いままというのも大きな要因となったのです。