サラリーマン金融の課題・動向

大蔵省の業務報告書調査では、貸出残高のある消費者金融業者は96年3月で6615社ありますが、武富士、アコム、プロミス、アイフル、三洋信販、レイク、アイクの上位7社で貸出残高の約6割を占めています。一方、100億円以下の中小規模業者が6574社と全体の99%を占め二極化しています。大手の躍進ぶりだけが浮き彫りにされていますが、99%を占める中小規模企業も確実に伸びています。ただ、中小企業は資金調達面や回収システムなどの面で課題が多いということです。

今後長期的に見ても、消費者金融業界は成長が予想されますが、それは急成長から安定成長へ移行することが予想されます。現在では低迷していますが、それでも莫大な利益を上げています。そうした中、次の課題も出てきています。

@貸出残高の鈍化
消費者金融業界躍進の源でもあった無人契約機の効果も一服し、貸出金の残高は年率1ケタ成長へと次第に鈍化していく公算が強いです。失業率の上昇や個人破産・破産予備軍の増加で、貸倒率は高まる見通しです。潜在顧客数は多くても、実際の市場は飽和状態に達することになると思われるため、これまでの業務拡大に陰りが生じ、急成長の裏に潜んでいた矛盾が噴き出す可能性もなくはありません。ただ、大手企業に関しては、高い収益性と自己資本の厚さ、機動的なリスク管理体制が確立されており、致命的な問題にはならないでしょう。

個人破産や破産予備軍の増加、多重債務者問題には、業界をあげて取り組んでいる。大手を中心に「消費者金融連絡会」を組織し、消費者啓蒙活動やカウンセリング機能の整備に取り組んでいます。

A競争の激化
銀行業界への「新規参入」がないのと反対に、消費者金融業界には新規参入者が多いです。現在では落ち着いていますが。金融ビッグバンで垣根が低くなったことがそれに拍車をかけています。例えば次のようなケースです。

リース業界最大手のオリックスは、子会社でオリックスVIPローンの販売を本格化しています。最高限度額800万円と低金利は画期的なものです。他社も高い限度額と低い金利で無担保ローンに進出してきています。

外資の問題もあります。外資は83年に10数社が参入しましたが、日本の慣行に合わず結局1社しか残りませんでした。そのことを踏まえ、今回は提携・買収という形で参入してきています。なお、買収の動きは外資に限りません。日本のある大手証券会社は、アメリカの消費者金融会社と手を組み、日本の消費者金融会社を買収しようと検討していたくらいです。

法律で上限金利が下げられ、経営が難しい消費者金融が経営統合されたり買収されたりしてきました。大手はしばらくはいいでしょう。しかし大手同士の食い合いが始まっています。今後、消費者金融のそういった動向に注目していきましょう。