参入しやすいビジネス

独立して新しいビジネスを始めたい、あるいは新規事業として何かビジネスを始め ようというとき、何がポイントになるでしょう。

新規事業成功のポイントは「ノウハウ」と「その分野の人材」であるといわれています。どんな事業でも独自のノウハウがあって、それをつかめるかどうかが成否の分かれ道ということです。とくにメーカーを始めようという場合には、そのことがいえます。

「人材」というのも同様の意味です。つまり、その分野に詳しい人材を集められるかどうかが事業成功のカギになるということです。
その点、サービス業はいいアイデアさえあれば、熟練技能や高度な知識がなくても成功しうるものと考えられるのでしょう、創業希望者の始めたい事業には圧倒的にサービス業が多い。

さて、消費者金融業はどうでしょう。
どの事業でもそう簡単に成功できるというものではないが、創業、つまり事業をスタートさせるということに関していえば、消費者金融業は比較的容易であるといえます。
その理由をあげてみましょう。

(1) 開業費用がかからない

これはサービス業全般にいえることでもあるが、消費者金融業も開業費用は低額で済みます。すでに倒産してしまったが、 一時消費者金融業界の準大手にまで成長した「ヤタガイクレジット」は、中央大学法学部を出て証券会社に入社した八谷氏が「二〇〇万円の資金と、 一〇〇〇円の古机、電話一本」で独立・創業したといわれています。

これは今もそう変わりません。事務所としては、賃貸のワンルームと机と電話があればとりあえずスタートできます。当初は自宅の一室を事務所にしてもいいでしょう。そうすれば、お客に貸し出す資金さえあれば、ほかに機械がいるわけでもなく、商品を抱える必要もなく、社員がいなくても始められるのですから、開業費用はかからないと考えてよいでしょう。

(2)高度なノウハウを必要としない

「消費者金融ビジネス」はそれほど複雑な事業を行なっているわけではありません。その仕組みはきわめて単純といってよいでしょう。商品を流す「流通チャネル」の問題を考 える必要もありません。

したがって、消費者金融ビジネスを始めるにあたっては特殊な技術を身につけることも考えなくて済みます。もちろん、事業成功のためには先行企業のノウハウを活用することも考えなければなりませんが、本書でも紹介するように、そのノウハウはすでに明らかになっているので後発企業も適用しやすいでしょう。しかも、そのノウハウを自社なりに改善することによって新たな顧客獲得を狙うことも可能です。

(3)特別の人材がいなくても事業ができる

開業当初は自分一人で仕事をするとしても、事業の発展につれて人を雇わなければならなくなります。しかしその際も、消費者金融業であれば、特殊な能力を持っている人でなくともなんら問題はありません。通常の事務能力さえあれば十分にこなせるものです。

(4)事業計画がたてやすい

(2)でも述べたように、事業の仕組みは単純である。このことが「事業計画」がたてやすいというメリットにつながります。消費者金融業の場合、「資金」そのものが商品ですから、「資金」を回転させる計画を中心に考えればよいのです。他の事業のように、商品のことや機械。設備のことといった関連の計画がないことから、計画をたてることも、実施後のチェックもしやすいのです。

このように、消費者金融業は比較的参入しやすいこともあって、最近では元銀行マンや元商社マン、スーパーの女性経営者など、さまざまな人たちが消費者金融業を始めています。