ATM戦略

無人契約機によって新規顧客が爆発的に増加し、消費者金融業界全体の躍進につながりました。また、業界全体のイメージアップにもなりました。

無人契約機の利点を活かした戦略の構築

自己破産申立件数は急激に増加していますが、その原因の1つが無人契約機があまりに多くできたことにあるのではないかという批判があります。

「無人契約機が自己破産を助長している」とは言いきれません。消費者金融業の無人契約機だけが原因というよりも、日本における急激なカード社会化が原因といえるのではないでしょうか。この点に関し、大手各社は自社のデータを公表し、無人契約機利用者の貸し倒れ率は決して高くないと説明しています。

消費者金融業界の成長を加速した無人契約機

飽和状態ともいわれる消費者金融業界の出店状況ですが、そのなかで無人契約機の重要性は増しています。今後は無人契約機がスタンダードになり、対人店舗はなくなっていくでしょう。ここでは、無人契約機の開発と導入の歴史を振り返ってみます。

消費者金融業界で無人契約機を初めて導入したのはアコムで、1993年7月のことでした。場所は新宿と博多で、それは導入以来増加の一途をたどることとなりました。

レイクが「ひとりででき太」の導入を開始したのは95年9月。当初試験的に10台を導入しましたが、本格導入に踏み切ることができたのは「偽造・変造証明書発見機能」を日立製作所と共同で開発できたことが大きなポイントでした。これにより、スキャナーや小型カメラに頼らずに身分証明書を確認することが可能になったといいます。

アコムが無人契約機「むじんくん」を93年に設置したのが最初ですが、稼働開始直後の同業他社の評価は「さほど利用されるとは思えない」というものでした。ところがそうした予測はあっさりと覆されました。

「借金をするのはどうも気恥ずかしいが、機械が相手なら気楽に借入れが申し込める」「融資を断られても、周囲に誰もいないので恥ずかしくない」「資金需要は特にないが、無人契約機に興味がある」などと考えたユーザーが、無人契約機に押し寄せました。

予想以上の反響を見て、アコムではむじんくんの増設を図りました。その結果、95年3月期には新規口座数36万9000口の内、約7%にあたる2万5000口を無人契約機で獲得するという成果を上げました。このようなアコムの成功に触発され、それまで無人契約機導入の効果に懐疑的だった他社も、95年に入り追従を開始しました。3月にはアイフルが「お自動さん」、6月には三洋信販が「ポケットバンク」を導入し、武富士も10月から「¥enむすび」を導入、レイクも同年夏から「ひとりででき太」を導入しています。さらに大手だけでなく、中小でも無人契約機を導入する会社が増えていきました。